キユーピーアヲハタニュース

2007/11/30 No.71

★発表

卵白の新しい健康機能

卵白ペプタイドは生体内の酸化を抑えます
11月30日(金)に「機能性食品と健康増進作用に関する国際会議」
(ICoFF2007、国立京都国際会館)で発表
 キユーピーは、卵白を酵素で分解した「卵白ペプタイド」が、生体内の酸化を抑える働きを持つことを確認しました。

 「卵白ペプタイド」を添加した飼料を摂食させたラットと、通常の飼料を摂食させたラットで、生体内の抗酸化力に違いがあるか比較しました。
 それぞれの飼料を摂食させたラットに、酸化を促進する成分を投与した後、生体が酸化したときに血中に増加する成分「ヘキサノイルリジン」の量を測定しました。その結果、「卵白ペプタイド」を摂食した群では、対照群に比べて「ヘキサノイルリジン」の量が約1/3になることがわかりました(図1参照)。
 この結果は、2007年11月27日(火)〜12月1日(土)に国立京都国際会館で開催される、「機能性食品と健康増進作用に関する国際会議(ICoFF2007)」で発表します。
図1.ラット血中のヘキサノイルリジンの量【飼料1を摂食し、酸化促進成分を投与しない場合の値を1として表記】
 キユーピーはこれまでに、「卵白ペプタイド」が食品の酸化抑制に役立つことを、マヨネーズを使った試験で確認し、2007年5月にカナダで開かれた学会で発表しています。
  詳しくはこちら >> /RandD/reserch/pdf/075.pdf
【試験内容】
(試験1)ラットを2つの群に分け、下に示す飼料1または飼料2の飼料を7日間摂食させた。その後、14時間絶食してから、生体の酸化を促進する物質「四塩化炭素」を腹腔内に投与した。投与してから24時間後の血清を採取し、生体内の酸化の指標となる「ヘキサノイルリジン」の量を測定した。
飼料1:通常飼料
飼料2:卵白ペプタイド1%混合飼料
(試験2)14時間絶食したラットに、体重1kgあたり1gの卵白ペプタイドを摂食させた。摂食の1、2、3、6時間後に、生体内酸化を引き起こす「活性酸素」を消去する能力を持つ「還元型グルタチオン」の、肝臓内の量を測定した。
【試験結果】
(試験1)「卵白ペプタイド」を摂食させた群は、通常飼料を摂食させた対照群と比べて、生体内の酸化の指標である「ヘキサノイルリジン」の量が少なくなっており、生体の酸化が抑えられていることがわかった。 (試験結果のグラフは図1を参照)
(試験2)「卵白ペプタイド」を摂食させると、肝臓内の還元型グルタチオンの量が上昇し、生体内の酸化が抑えられていることがわかった。 (試験結果のグラフは図2を参照)
図2.ラット肝臓内の還元型グルタチオン量の変化 【0時間の値を1として表記】
 今回の結果から、「卵白ペプタイド」の新しい健康機能が明らかになりました。キユーピーは卵が持つ健康機能について、これからもさらに詳しく調べていきます。