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キユーピーアヲハタニュース

2011/9/8 No.51

★学会発表

<「食べる力」の向上に期待>

お酢をむせにくく、飲み込みやすくする工夫が
要介護者の嚥下機能改善をサポートします

9月10日(土) 第58回日本栄養改善学会学術総会で発表
 キユーピーは、特定医療法人北九州病院との共同研究を行い、むせにくく、飲み込みやすく工夫したお酢を要介護者の食事に取り入れることで、要介護者の「食べる力」の向上が見込めるという研究結果を得ました。本内容は第58回日本栄養改善学会学術総会(広島県広島市、広島国際会議場)で発表します。

 食べることや飲み込むことが困難になった方の食事は、食べやすさ、飲み込みやすさを優先するため、使用できる食材が限定されます。そのため、メニューの幅は狭くなりがちで、そのことが食欲の減退にもつながるといわれています。
 お酢はメニューの幅を広げ、食欲を増進すると期待される調味料ですが、その刺激がむせを生じやすくするため、要介護者の食事には取り入れにくい食材です。そこで今回、お酢をむせにくく、飲み込みやすい状態にしたソースを用い、食べる力が衰えた要介護者の食事に取り入れ、摂食状態の変化について調べました。
 対象は、摂食・嚥下障害のある高齢者10名(男性2名 81.5±9.2歳、女性8名 84.0±8.6歳)。お酢のソースを用いたメニューを全体の4分の1以上に取り入れた献立を提供し、毎日3食、12週間継続して摂取してもらいました。

 12週間の継続摂取後、被験者の嚥下反射の遅延や開口不良に顕著な改善が認められ、「食べる力」の向上が見込める結果が得られました。また、栄養状態の代表的な指標である血清アルブミン濃度の平均が3.3g/dLから3.5g/dLに増加し、体重の減少も10人中9人で認められませんでした。このことから、お酢のソースを用いたメニューを取り入れることが嚥下機能の問題解決をサポートしていることが示唆されました。

 今後もなるべく多くの方に「食べたいものを食べ続けられる喜び」を感じていただけるように、引き続き研究を進めていきます。