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キユーピーアヲハタニュース

2012/3/22 No.25

★学会発表

ヒアルロン酸の経口投与により
紫外線による皮膚へのダメージが抑制されました

3月24日(土) 日本農芸化学会2012年度大会(京都府京都市)で発表
 キユーピーは、ヒアルロン酸を経口投与することで、紫外線による皮膚へのダメージが抑えられるという試験結果を得ました。本研究は東京農工大学農学部硬蛋白質利用研究施設と共同で実施し、3月22〜26日に開催される日本農芸化学会2012年度大会(会場:京都女子大学等/京都府京都市)で発表します。
 キユーピーはヒアルロン酸の機能性について研究を進めています。ヒアルロン酸は肌のうるおい維持を目的に化粧品に使われるほか、これまでの各種試験により、食べることで肌水分の維持(※1)や変形性膝関節症の痛みを和らげること(※2)が期待できることがわかっています。
 今回は、ヒアルロン酸を経口投与した場合の肌への影響について、紫外線を照射したマウスを用いて試験を行いました。
 皮膚は常に紫外線にさらされており、長年の紫外線暴露で老化が促進され、しわが形成されます。しわの形成を防ぐには、紫外線照射による皮膚のダメージを抑えることが必要になります。そこで、マウスに6週間紫外線照射を行いながら、ヒアルロン酸を毎日経口投与し、皮膚へのダメージにおよぼす影響を調べました。
 その結果、紫外線を照射すると皮膚水分量は低下しましたが、ヒアルロン酸の経口投与によりその低下が有意に抑えられました。また、ヒアルロン酸の摂取によって、しわの形成が抑制される傾向が観察されました。

※1 当社ホームページ 参照
※2 キユーピーアヲハタニュース 2010年No.31 参照
【研究内容の概略】
(方法) ヘアレスマウス(体毛のない試験用のマウス)に6週間紫外線照射を施しながら、1日1回分子量が異なるヒアルロン酸(分子量 8千〜90万)を経口投与した。試験はヒアルロン酸を摂取させない対照群と、各ヒアルロン酸を経口投与したヒアルロン酸群との間で比較を行った。 背部皮膚の水分量を経時的に測定するとともに、紫外線照射6週間目に皮膚のしわの状態を観察した。各群5〜6匹による試験で、皮膚水分量は統計学的手法で解析した。
(結果)紫外線照射により皮膚水分量の低下としわ形成が各群で引き起こされたが、ヒアルロン酸を摂取した群では、皮膚水分量の低下が有意に抑えられるとともに、表皮のしわ形成の軽減が観察された(写真)。また、ヒアルロン酸の分子量による結果の差異は見受けられなかった。 これらの結果から、ヒアルロン酸を食べることにより紫外線照射による皮膚ダメージが改善されることが示唆された。 試験結果の一例(対照群とヒアルロン酸群の代表例)を下図に示す。

図)皮膚水分量の変化
図)皮膚水分量の変化

写真)しわの状態
写真)しわの状態