その他

19/11/05

No.92

資源の有効活用と環境保全の取り組み

令和元年度リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰キユーピーグループが農林水産大臣賞を受賞

卵殻の付加価値化と社会貢献への挑戦

 キユーピー株式会社とキユーピータマゴ株式会社※1(本社:東京都調布市、代表取締役社長:齋藤謙吾)が長年続けている卵殻の付加価値化と社会貢献への挑戦について、「令和元年度リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰(3R推進功労者等表彰)」の農林水産大臣賞を受賞しました。

※1 卵加工品を手掛けるキユーピーのグループ会社

             

10月29日(火)に行われた表彰式の様子
登壇者(左):キユーピー株式会社 研究開発本部
コーポレート・サイエンティスト・フェロー 久能昌朗

 この表彰は、平成4年(1992年)度からリデュース・リユース・リサイクル推進協議会が主催しています。リデュース(発生抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再資源化)に率先して取り組み、継続的な活動を通じて顕著な実績を上げている個人、グループ、学校、事業所、地方公共団体などの活動を奨励し、循環型社会の形成推進を図ることを目的としています。

 キユーピーグループは、社会に対するグループの貢献価値を定量的に測る指標としてサステナビリティ目標を設定し、「資源の有効活用と持続可能な調達」を掲げています。「リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰」で受賞するのは、「野菜の未利用部を活用した資源循環の推進」をテーマに受賞した昨年に続き2度目です。今後も、さまざまな資源循環活動を通して社会的な課題解決に取り組んでいきます。

【受賞テーマ】
卵殻の資源化:付加価値の探求と国境を越えた社会貢献への挑戦

 キユーピーグループは、日本の卵生産量の約10%(1年間で約25万トン)を使用しています。1年間に卵殻は約2.8万トン発生し、廃棄すると環境へ多大な負荷が掛かります。そのため、1950年代から卵殻を土壌改良剤(肥料)として農家へ販売してきました。さらに、卵殻の価値探究を行う専門的な研究体制を作り、食品原料、飼料、建築資材、工業製品などにも活用を広げています。

             

水田に卵殻を施肥する様子(埼玉県の協力農家)

 近年は、東京農業大学 応用生物科学部(辻井良政 教授、加藤拓 准教授)と共同で、卵殻の肥料としての価値を研究しています。現在までに、水稲に卵殻を施肥すると米の品位が向上すること、水稲の耐暑性を高めるため猛暑時においても収量を維持できることが分かってきました。米の作付面積は日本の耕地面積の中で最も大きい※2ため、将来的には、キユーピーグループだけでなく日本全体の卵殻を有効活用できると期待しています。

※2 農林水産省 平成30年農作物作付(栽培)延べ面積及び耕地利用率 参照

             

ベトナムにおける卵殻カルシウムに関する講演風景

 また、ベトナムのハノイ国立栄養研究所との共同研究では、卵殻カルシウム(食用微細化卵殻粉、炭酸カルシウムを主成分とする生体素材)がヒトの骨量を増加させることを確認しました※3。卵殻は、高齢化で世界的に課題となる骨粗しょう症の解決に、貢献できる素材です。現在、ベトナムでは、卵殻カルシウムを配合した栄養強化食品の販売と合わせ、学校や病院への認知啓発と提案を進め、子どもの体格向上と高齢者の骨粗しょう症への課題解決に取り組んでいます。


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