研究・調査

23/10/26

No.82

1日2個以上卵を食べている人は卵のことを知っている

「たまご白書 2023」を公表 2017年から続く、卵に関する意識やトレンドの分析調査

             

 キユーピー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役 社長執行役員:髙宮 満、以下キユーピー)は、液卵・乾燥卵などの卵原料から、スクランブルエッグや目玉焼きなどの卵加工品までを手掛けるグループ会社のキユーピータマゴ株式会社(本社:東京都調布市、代表取締役社長:扇田 博昭、以下キユーピータマゴ)とともに、「いいたまごの日※1」(11月5日)に向けて、キユーピータマゴの公式サイト内で「たまご白書 2023」を公表します。「たまご白書」は、卵に対する意識や食べ方、トレンドを分析した調査報告です。2017年に1回目の調査結果を公表し、今年で7回目になります。

※1 卵という食材の素晴らしさを再認識するために、2010年に一般社団法人日本養鶏協会が制定

             

卵の好意度(単一回答)

 IEC(国際鶏卵委員会)が公表した、2022年の日本人1人当たりの年間鶏卵消費量は339個でした(2021年は337個)。メキシコに次いで2番目の消費量です。
 今回の「たまご白書 2023」でも、卵の好意度を尋ねたところ(単一回答)、「好き」「やや好き」を合わせると85.6%となり、日本人の9割近くは「卵が好き」なことが分かります(資料1)。そんな卵好きな国民性をひもとく調査結果の一部を紹介します。

■調査内容

第1章:卵の購入・使用実態・好意度
第2章:卵を使った料理・スイーツの購入・喫食実態
第3章:健康・栄養素に対する意識
第4章:人物像把握

■調査結果の概要

①男性20代は卵が「とても好き」

 「あなたは卵をどの程度好きですか」と尋ねたところ(単一回答)、「とても好き」と回答した人は、全体の48.6%でした。「やや好き」と合わせると85.6%で前年と同水準の高い割合でした。その中で、男性20代で「とても好き」と回答した人は51.5%で前年の36.9%に比べて14.6ポイントも増加していることが分かりました(資料1)。男性20代の「卵に対するイメージ」については「栄養価が高い」が前年に比べて増加しており、さらに「卵について知っていること」では「卵のタンパク質は良質である」が増加していました。男性20代の卵の栄養価に対するイメージや魅力が高まっていることが示唆されました(資料なし)。

資料1:卵の好意度(単一回答) 単位:%

②卵が好きな理由のうち、「価格が安い」が大幅に減少

 「卵が好きな理由」について尋ねたところ(複数回答可)、前年同様「おいしい」が65.9%と最も高く、次いで「様々な料理に使えて便利」が49.8%でした。一方、前年と比べて、「調理が簡単だ(手軽に食べられるから)」「どこでも売っていて手軽に買える」「価格が安い」が低下していることが分かります。特に「価格が安い」については、全体で前年に比べて17.5ポイントも低下していました。
 今まで、購入しやすく価格が安定していた卵の印象が、飼料価格の高騰や鳥インフルエンザの影響で安定供給が難しく価格が上昇したことが、生活者の「卵を好きな理由」の変化に影響している様子がうかがえます(資料2)。

資料2:卵を好きな理由(複数回答可) 単位:%

③5割以上の人が、10個パックの卵に300円までなら支払う

 卵が価格変動する中「日常的に使う卵(10個パック)のためにいくらまで支払えますか」と尋ねたところ(単一回答)、全体で55.8%の人が、300円までであれば支払えると回答しています。性年代別でみると1週間で卵の平均購入個数が多い女性30代以上は、他の性年代に比べて300円までと400円までの合計が高く、さらに女性30代、50代、60代においては、400円まで支払えるという人が2割以上いることも分かりました(資料3)。

資料3:卵の価格感(単一回答) 単位:%

④卵を1日2個以上食べる人は、卵のことを知っている

 「卵のことについて知っていること」(複数回答可)について、卵を1日1個以下しか食べない人と2個以上食べる人を比べたところ、卵を1日2個以上食べる人の方が卵のことをよく知っていることが分かりました。
 特に「卵のタンパク質は良質である」「卵はビタミン、ミネラルが豊富である」「卵白タンパク質は筋肉量、筋力の増大効果がある」は、卵を1日2個以上食べている人がそうではない人に比べて10ポイント以上も高い結果となりました。他にも「卵黄に含まれる『レシチン』『コリン』は脳の発育や認知機能に重要な栄養素である」「卵の摂取量が1日に1個以上の人は、卵の摂取量が週に1個の人より認知症の発症リスクが低い傾向にある」「卵はダイエットに良い」「卵は糖質が少ない」についても8ポイント以上高いことが分かりました。これらのことから、1日に卵を2個以上食べる人は、卵の健康機能への理解が深いことが推察されます(資料4)。

資料4:卵のことについて知っていること(複数回答可) 単位:%

【調査方法の概要】

■調査手法:WEBアンケート調査
■調査期間:2023年8月25日(金)~8月26日(土)
■調査対象:全国20~69歳の男女 合計2,060人
調査結果は、10歳刻みの性年代別人口構成比から算出した係数を実回収数に乗算し、実際の市場ボリュームに合わせてスコアを反映しています(ウエイトバック集計)。
■基数:2,060人(ウエイトバック後)
男性20代:166人 女性20代:160人
男性30代:191人 女性30代:186人
男性40代:247人 女性40代:243人
男性50代:223人 女性50代:223人
男性60代:205人 女性60代:215人

≪まとめ -調査結果から-≫
 今回の調査の背景には、飼料の高騰や鳥インフルエンザの影響がありましたが、2017年の調査開始から変わらず、日本人の9割近くが「卵が好き」という結果になりました。
 今年は、卵を好きな人はどんな人なのかを把握するための分析を行い、どういう人が、なぜ卵を食べているのかが見えてきました。
 「価格の優等生」と言われ続けた卵も、現在は店頭価格300円前後※2(10個パック)で販売されている状況が続いています。今回「卵の価格感」について尋ねたところ、全体で55.8%の人が300円までなら支払うと回答しています。今までの価格に比べると値上がりしている状況ですが、日々の食卓に欠かせない食材であることや卵のタンパク質は良質で栄養バランスが良いことなど、改めて卵の魅力や健康価値が見直された様子がうかがえます。

※2 総務省統計局 小売物価統計調査より

 キユーピーグループは、サラダとタマゴのリーディングカンパニーとして「サステナビリティ基本方針」の中で、「健康寿命延伸への貢献」を掲げ、タンパク質を摂取するために卵の消費量アップを推進しています。今後も、卵の正しい知識の啓発や、卵料理の楽しみ方の提案を続けていきます。


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